1週間でマスター 斉藤ひろしのシナリオ教室

 今回は以前書いた「漫画家志望のモチベーションを上げてくれる本」の第二回です。
  過去記事↓

 今回取り上げるのは脚本家・斉藤ひろしさんの『1週間でマスター 斉藤ひろしのシナリオ教室』です。

 脚本家の方が書かれた本で、いわゆる「漫画の描き方本」ではないのですが、物語を創るという意味では共通する部分は少なくないかと思います。

 ・・・というか自分がこの本で最も共感した部分は「脚本を書くための完璧なノウハウなど存在しない」という部分です。

 それを大前提に書かれており、さらに「『栄養ドリンク』のようにテンションを高めることを目的とした本である」というのも凄く良いです。

 自分もまがりなりにも創作を続けていると「完璧な創作理論など存在しない」ということが実感としてわかってきます。

 理論が悪いとは言いませんが、「万能な理論を求め続けていく内に『実践』というものがドンドン失われ、結局屁理屈をこねくり回しただけの言葉遊びに終始していく」なんてことは珍しくありません(苦笑)
 実践を必要とせず、如何にして自分を出来る人風に見せるかが重要な立場の人であれば無意味な論破だけのためにそれっぽい創作論をでっち上げ()ていればいいですが 、実際に創作する立場の人間は、自分が創った作品の「市場的価値(売れたかどうか)」と向き合わざるを得ません。
 いくら立派な理論を論じた所で実際に使えなければ(結果を出さなければ)意味がありません。
 要は「『自分自身の創作のための理論』なのか『他者をマウンティングするための理論』なのか」という話ですね。

 その辺の話は別の記事で書くことにします・・・

 本題に戻りますが、とにかくこの『1週間でマスター 斉藤ひろしのシナリオ教室』は「創作において万能な理論などない」ということを前提に、「それを踏まえた上で自分はどう作品を(脚本を)創っているか」ということが書かれています。
 自分的には今まで読んできた物語創作術の本で一番参考になったというか一番好きな本と言っても過言ではないです。
 少なくともトップ3には入るかな・・・
 最近では『小説家になって億を稼ごう』も良かったですが・・・

 『1週間でマスター 斉藤ひろしのシナリオ教室』は、ある程度の大型書店であれば置いてあると思うので一度中身を確認してみると良いかと・・・
 まあ、これも『創作理論』と一緒で、人によって合う合わないがあるでしょうからね


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